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月一 香薬草シリーズ

このシリーズは、毎月ひとつの香植物に焦点を当て、天然香の美しさを讃えることを目的としています。

 

植物の香りと、心身にもたらす特徴を探求し、自然界に存在する香りをより深く理解する機会を提供します。

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紫蘇

日本からベルリンへ、紫蘇の種のものがたり

シソ(Perilla frutescens)は、東アジア原産の食用薬草で、その歴史は数千年に遡る長い歴史があります。縄文時代(紀元前14,000年~紀元前300年)にはすでに日本で栽培されていた形跡も見つかりました。シソの葉は料理だけでなく薬用としても使用されてきました。

通称:シソ
ラテン語名:Perilla frutescens
原産国:東アジア
科:シソ科

香り:フレッシュ、フルーティー

香りの分類:ミドルノート

紫蘇は、食中毒に苦しんだ男性がこの薬草を食べて生き返ったという言い伝えに習い、「蘇る紫」と書きます。

シソの葉には抗酸化物質が豊富に含まれており、抗炎症作用と抗菌作用のある成分が含まれています。伝統医学では、酔い止めと消化促進効果を目的として使用されているため、日本の食文化、特に刺身などの生魚を使った料理には欠かせないものとなっています。

日本では大葉と呼ばれる青紫蘇は、毎日の台所に添えたり包んだりする料理用のハーブとして主に市場に出回っていますが、ドイツでは、鮮やかな赤色の赤シソが一般的に使われています。日本では赤シソは、天然の食品着色料および保存料として梅干しや梅酢の材料として重宝されています。

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香りに関しては、バジルのような明るいグリーン系に洗練されたエレガントさを兼ね、爽やかなベルガモットに似たフレッシュさが魅力です。

 

その貴重なエッセンシャルオイルは、集中力をもたらし、乗り物酔いから解放し、特に落ち気味の感情をサポートし、気のバランスを整えてリフレッシュするのに最適です。

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ひば

 

 

日本原産の檜葉は、その香りと実用性から日本文化の中で使用されてきた長い歴史があります。ストレスや不安を軽減するのに役立ち、防腐作用と抗炎症作用もあります。

Common Name:  Hiba, Asunaro
Botanical Name: Thujopsis dolabrata
Origin: Japan
Plant Family: Cupressaceae

Scent: Fresh woody

Fragrance Pyramid:  Middle note

Hiba is a medium to large evergreen tree that can grow up to 40 meters tall with a trunk diameter of 1,5 meters. It is notable for its fresh woody scent, which is attributed to the presence of a compound called Hinokitiol which it contains in high amounts, interestingly even more than in the actual Hinoki tree. It is known for its calming and relaxing effect and has a soothing quality that can promote a sense of tranquility and grounding. 

In addition to its aromatic qualities, the Hiba tree is also valued for its durable wood, which is resistant to decay and insect damage. The wood is used in traditional Japanese construction, including the making of temples, shrines, and other wooden structures.

嗅覚の旅

近年、香りへの関心が高まり、その背後にある科学についての理解が進んでいます。これにより、さまざまな種類の香り分子と、それらが私たちの感情や記憶に及ぼす影響について知られるようになりました。

 

しかし、フレグランス業界におけるマーケティングと戦略は、誤解を招く恐れがあるように思います。天然の香りと人工の香りを区別することが難しいのです。香りのある化粧品や流行のキャンドルなどは、合成化学物質が含まれている場合でも、商品名や写真などにより「天然香」であるように見せかけたりする場合も多々あります。

 

天然香は花や葉、木や種などから採れる天然源に由来します。これらの香りは、蒸留、圧搾、抽出などのさまざまなプロセスを経て得られます。一方、「フレグランスオイル」としても知られる人工の香りは、石油由来の合成化学物質を使用して作られています。

 

100%全て天然の香りが使用されているか、それとも天然成分と合成成分の組み合わせた香りが使用されているか識別することが必要です。また、天然香であってもさまざまな精油を調合し、香り商品を作られることも多々あります。

この企画を通じ、我々と香りの旅に出かけてみませんか。植物の香りの世界に浸ることで、個々の植物とその香りについての理解を深める機会となれば幸いです。

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